所長ブログ

2014年9月 1日 月曜日

自己破産⑤  破産者の財産

自己破産をしても、個人がそのまま所有・使用し続けることができる財産があり、これを自由財産といいます。

1.自由財産の意義
  破産手続は、手続開始時に破産者が所有している財産を換価して、債権者へ配当することを目的としています。そのため、破産者が破産手続開始のときにおいて有する一切の財産は、破産財団として換価の対象となってきます。
 しかし、破産者の経済生活の再生のために、破産者は、自由財産として財産を保持・使用することができる場合があります。
法律上は、99万円以下の現金のみが自由財産となり、預貯金は当然には自由財産となりません。

2.自由財産に関する実務上の取り扱い
 実務上は、現金以外の財産であっても、以下のような財産は、自由財産として保持・使用することができます。
 ①99万円以下の現金
 ②20万円以下の預貯金
 ③20万円以下の保険解約返戻金
 ③処分価値が20万円以下の自動車
 ④退職金支給見込額の8分の1が20万円以下の場合
 ⑤家財道具  など


なお、破産手続開始後に破産者が仕事で得た収入等、破産手続開始後に取得した新得財産は破産財団に属さず、破産者は使用することができます。


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2014年8月29日 金曜日

自己破産④ 免責不許可事由

本日は、免責不許可事由についてです。

破産者の免責審理が終わり、破産者に免責不許可事由がなければ、裁判所は、免責決定をします。
これにより、債務者は、借金から解放されることになります。

破産申立をしたとしても、全ての債務者が免責されるわけではありません。法律上、免責を許可できない免責不許可事由が規定されています。
以下免責不許可事由の例示です。
①申立人が債権者の利益を害した場合。
  破産者が財産を隠匿したり、その財産的価値を減少させたような場合や、返済不可能状態であるにも関わらず、その状態でないかのように債権者を信用させて、さらに金銭を借り入れた場合など。
②浪費・ギャンブルなどにより財産を著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担した場合
③クレジットカードで商品購入後、すぐさま業者に転売したり、質入して現金化した場合
④免責の申立前7年以内に、免責を得ていた場合 
⑤手続の円滑な進行を妨げたり、間接的に債権者の利益を害したりした場合など

 ※なお、免責不許可事由があっても、裁判所の裁量により免責決定がなされる場合もあります。


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2014年8月28日 木曜日

自己破産③ 免責されない債務

自己破産は、破産手続開始決定を受けるだけでなく、免責許可決定を受けなければ意味がありません。
免責許可決定を受けることで、裁判所に届け出た債務から債務者は、解放されるのです。
なお、一度免責を受けると、以後7年間は免責は受けられません。

但し、全ての債務が免責されるわけではありません。以下免責されない債権を例示しまた。
個々に例示したものは、自己破産の開始決定及び免責決定を受けたとしても、免除されず、払う義務があります。
①税金
②破産者が悪意をもって行った不法行為に基づく損害賠償請求権
③破産者が故意又は重過失により人の生命・身体を侵害した場合の不法行為に基づく損害賠償請求権
④夫婦、親子等親族間の義務に関する債権
⑤雇用関係に基づいて生じた従業員の請求権(給与等)及び預り金の返還請求権
⑥破産者がわかっていいて債権者一覧表に記載しなかった請求権
⑦罰金など


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